LOVE HOTAL

「ねぇ、灯りは消してね。」って君は言う。
それが何を意味してるのかなんて
聞いてしまえば終わりになる。
「へぇ、珍しい。ホタルが飛んでる。あれも消してしまう?」
と話をそらす。
「こんな都会にいるもんなんだなぁ。」
そんな言葉はただ独り言みたいに虚しく宙に消えた。
君は遠くを見ながら言った。
「灯りは消して。ただそれだけよ。」と。
汗顔の至り。猜疑心はない。
今思えば、なんであんなに同じこと
何度も繰り返し繰り返し言ってたのに、
どうして僕はそのことを疑わず、
君の不安定な光ばっか見てしまったんだろう。
だけど、泣いてばかりいたって始まらない。
わかっちゃいるけど涙が止まらない。
こんなに哀しくて、こんなに苦しくて、
こんなに辛いことがこの世にあるなんて。
なんてね。
アーバンなベイビー、野蛮な18、流れるJAY-Z、が所以か。
「ねぇ、いつでも、誰とでも、
こんな風になるわけじゃないのよ。」と
お決まりの文句。それが嘘でもお構いなしさ。
「ああ、僕もさ。」それから言おうとして止めた、
「君はホタルみたいにこの街を照らすただひとつの道標。」
有閑な例。痛恨の念。従順なせい。閃光のせい。
暗闇の中、脱いだ白い無地のワンピースの上に
立ったままこちらを睨むような瞳で見つめて、
その体は思ったほどキャシャではなくて
肩幅があって、まるで・・・
今思えば、なんであんなに同じこと
何度も繰り返し繰り返し言ってたのに、
どうして僕はそのことを疑わず、
君の不安定な光ばっか見てしまってたんだろう。
今思えば、最初から変だ。
恩返しなんて、身に覚えないし、
ウマすぎるなって気付くべきだった。
浮れていたんだ。彼は・・・。

 

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