君の料理(レシピNo.2027)

君の料理は丁度 僕の味覚に合うように 
濃い目でパンチが効いていて そして薬味の一手間が絶妙で
例えば朝のみそ汁はちょっとしょっぱいくらいの方が
食欲をそそるというわけで 野菜は大きめでということで
素材の味を生かすのが上手 決めては愛情という名のソース
なんちゃって 
2人で食べるから美味しいんだよねとか言っちゃって
お気に入りはナスの素揚げかな
カイマン餃子も捨てがたいよな
どれもこれも毎日食べたいや だけど何もそんな食えないや
鳥の唐揚げも絶品だ 甘辛のもにんにく醤油も甘酢だれも
ケンタッキーの謎のスパイスなんか目じゃなくなってて
流行の彼ごはん的なシャレた料理とは無縁だけれど
家に帰りたくなる味で 僕はもう外食出来ない身体さ   
君のその両手は僕が生きるための
僕の身体を創る料理が作れるのに
誰かのその両手は僕を殺すための武器も作れる
なんなら直接殺す事も出来る 
何十年もそうなんだろ
何百年もそうなんだろ
何千年もそうなんだろ
これからもずっとそうなんだ
僕は僕の手でギターを弾いて
僕は僕の声で下手だけど歌えるから
君に愛をどうにかこうにかうまく伝えるよ
僕はいつも過去にとらわれてばかりで
君はいつも未来の話ばかりで
足したら丁度「今」になるのかもね
レシピがあれば曖昧にそこは「適量」
君の料理はどんな人生の「シチュー」エーションにだって
うまく対応しちゃうんだね
例えば僕がつまらないことを気にして
喧嘩した後だって変わらずに美味いから
ついつい笑ってしまうんだ 
君の手のひらの上で踊らされてる様な気がするんだ
僕のこの両手が何も掴めずに何も握れずに拳になる前に 
何かを掴むんだ 暗闇で見えなくても 
それが銃やナイフや核兵器のコントローラーでないことを祈る
何回でもそうやるんだよ
何十回もそうやるんだよ
何百回もそうやるんだよ
これからもずっとそうやるんだ
僕は僕の手で君を掴んで
僕の僕の声は一つだけ日本語だけど
君に愛をどうにかこうにかうまく伝えるよ
毎日がインスタントヌードル ありふれている愛を食う
スパークリングワインなんてOH!MYGOD!
形振り構わないで食う
毎日はインタールードになりきれないよ 死んだ方がマシ 
アイドリングだってきっとグー けど形振り構わないで進む
僕のこの両手が君を満たしても
君のその両手が僕を満たしても
互いになんとなくね その次を求めてる
ブラックホールみたいに消化して永遠に
何もかも抱いて何もかも泣いて
何もかもを掴もうとしてしまって 
何もかもなんてないのになんでかな
手にしたって満たされない なんて身勝手なんだろう
エジソンだって知らない ヴァスコ・ダ・ガマも知らない
ハン・ソロだって知らない 誰にも知る事は出来ない
僕は僕の手でギターを弾いて
僕は僕の声で歌うしかない
単調だけど君に愛をどうにかこうにかうまく伝えるよ
僕のこの両手で持てるだけ持って
君のその両手で持てるだけ持って
疲れちゃったら僕が代わりに持つよ
だから君はちょっと今日の晩飯何にするか考えといてよ