ペルソナ4 その4

第5章 〜日々〜

さて、第4章の終わり方があまりにもアレだったので、とうとう畠山イかれたかと思われそうなところだが、話はまだまだ続く。
ここから色々なもの(10年間で築いてきたイメージとか)が崩壊していくので覚悟して追いてきてほしい。

ここで言っておかなければならないのが、僕がプレイしたペルソナ4は、「ペルソナ4ゴールデン」だ。
無印ペルソナ4にはない、追加要素が盛りだくさんだ。
僕はそれを知らずにクリアしたわけだが、無印ペルソナ4よりも間違いなく青春を謳歌できるのがゴールデンだ。
未プレイの方は確実にそちらを激押しする。

僕は最近ゲームとやるときに自分の名前をつけるようにしている。
とくにこれといった理由はないのだが、昔はかっこいい名前をつけよう、みたいな痛くて悲しい気持ちがあったが
今では自分の名前をつけることが最大のギャグって感じで、なかなか楽しい。

しかしこのペルソナ4に関しては自分の名前をつけたことはギャグではなく大正解だった。
ペルソナ4の場合は苗字と名前を記入する。ちゃんと畠山と承平を書いた。

大正解だった理由は、「仲間が名前を呼んでくれるから」だ。
これは通常のRPGではわりと当たり前だし、当然ボイスはその部分だけカットされる。
例えば登校時間に「よう!畠山!」とか陽介が言ってくれる。このとき、「よう!」だけがボイスで「畠山!」は無声だ。

しかし、この「畠山」というのが妙にリアルに感じる。
「承平!」ではないところに学生時代のリアルさを感じるのだ。

そして前章で書いたように僕と陽介はすでに相棒、というか親友、なので登校時間の「よう!畠山!」が妙に心にグッとくるのだ。

あれ?僕なんかおかしいこと言ってます?ちゃんと追いてきてくださいね。この旅の終わりのあるものはもっとすごいですからね。
こんなところで諦めてはいけませんよ。

さてここで、ペルソナ4のゲームシステムを少し紹介せねばなるまい。
前章で「これがあのペルソナか?」という疑問が生まれた理由はもう一つある。
それがこのゲームシステムだ。

通常、RPGというものは、冒険だ。違う街にき、武器を買い、洞窟に生き、困った街の人たちを助ける、そして最後の魔王の城に行き、姫を助ける。世界中を旅する冒険。
これが所謂RPGだろう。

近年のRPGはいろいろな種類があるが、ペルソナ4に関してはかなり異例だと言っても過言ではないだろう。
そもそも女神転生シリーズは所謂RPGとはまったく違う。冒険ではない。東京ならTOKYOだけが舞台だ。
ペルソナ1は学園だけが舞台だった。(と記憶している。)だから舞台が小さな街だけ、という設定はそこまで意外ではない。

しかし、ペルソナ4には時間の概念がある。
主人公は1年間しかこの舞台にはいられないのだ。そして1日にやれることは限られている。
舞台はこの小さな街だけで、時間は1年間しかない。
主人公は高校二年生なので、学生生活が以外と忙しい。授業を受け、友達と喋り、昼飯を食べて、部活に出る。
放課後は部活じゃなく、バイトでもいい。
夜は家で勉強してもいいし、弁当を作ってもいい。家で叔父の娘と話してもいいし、叔父と過ごしてもいい。
テレビを見てもいいし、本を読んでもいい。夜に友達と遊んでもいい。ただの立ち話をするのだ。
中華料理屋で晩御飯を食べてもいい。

当然ダンジョンはある。所謂洞窟ではない。このシステムは割と良くできているのでネタバレなしでぜひプレイしてもらいたいのだが、
まぁとにかくダンジョンと呼べるものはちゃんとある。なので、放課後にみんなでダンジョンに行き、レベル上げをしてもいい。

そして、高校二年生なので、イベントが盛りだくさんだ。
中間テスト、期末テスト、学園祭、バンド、夏休み、林間学校、修学旅行、スキー、クリスマス、バレンタイン、初詣。
事件の解決なんてする暇あるのだろうか??

それともこれだけ読むと地味なゲームだと思うだろうか?
ただの学生生活?なんじゃそりゃと。

しかし、前章で書いたように陽介は俺の相棒であり、親友である。そんな親友とこのイベントを一緒に過ごせるというのは、
他のゲームでは絶対に味わうことのできない体験だ。そしてそれは1年間だけなのだ。
絶対に悔いのないように過ごさなくてはならない。絶対にだ。

…あれ?僕なんかおかしいこと言ってます?

ともかくペルソナ4は時間が限られているRPGだ。舞台は小さいが、毎日やることに追われるだろう。
こんなに自由度の高いゲームはない。そう感じれたのが最大のこのゲームの良さだ。
自由度の高さはMAPの広さや、行動の無秩序だけではないと教えてくれた。心が自由であることこそがゲームの自由度の高さなのだ。

そしてもうひとつ、システムの話をしなくてはならない。
ペルソナ4は普通のRPGのようにレベルの概念があるのだが、他にも成長するシステムがある。
敵を倒すだけでは上がらないステータスだ。

勉強したり、本を読むと、「知識」や「寛容さ」といったステータスが上がる。バイトをするとお金がもらえる上に、「勇気」のステータスが上がる。この知識や寛容さ、勇気、などのステータスが低いままだと、実はできないことが多い。
選択制で会話ができるときに、勇気が低くて言えないこととがあったりする。
このセリフ言いたいのに、勇気が足りない!なんてことはよくある。
しかしこれはかなりリアリティを感じた。
確かに普段の俺なら絶対に言えないセリフは勇気が足りないのだ。
ゲームだから何でも言えるわけじゃない。

振り返ってみれば、俺には勇気が足りなかったのだ。

授業でも知識はあがる。先生の質問に答えればいいだけだ。真面目に先生の話を聞いてれば答えられる質問ばかりだが、めんどくさくて丸ボタン連打して先生の話を飛ばしてしまうと、質問に答えられない。まさに授業を受けている感覚だ。

さらにコミュという概念がある。
簡単に言ってしまうと、特定の人物と仲良くなることでランクが上がっていくシステムだ。
例えば僕の、この僕の相棒の陽介と、昼ごはんを食べたり、夜話したり、放課後遊んだりすると、コミュランクが上がっていく。
コミュランクがあがると、その仲間は戦闘中にいろいろと助けてくれるようになる。
コミュランクが最高になると、強いペルソナができるし、その人物のペルソナも強くなる。

ここでペルソナ
についても説明しよう。むしろ遅すぎるくらいだが。
やはり、説明しなければならないことと、自分が伝えたいことがごちゃごちゃになってしまっている。申し訳ない。

ペルソナとは、ジョジョで言う所のスタンドだ。どっちも知らないだと?グ・グ・レ・カ・ス。
簡単に言ってしまうとペルソナとはもう一人の自分であり、炎とか氷とか、そういう技も使えちゃうかっこいい相棒だ。
「ペルソナァ!」と叫ぶと現れて、敵を倒してくれる、みたいな?簡単に説明するとこんなところだ。
RPGの魔法の立場と考えてもらうと早い。弱点とかにも関わるので、ほんとはそんな単純なものではないのだが。
確実にググってもらったほうが早いと思うのでググってくれ。

ペルソナシリーズはこの最強のペルソナを作るっていうところにもやり込み要素があるのだが、
これに関しては今まで通りの女神転生シリーズのゲームとしておもしろいところではあるが、今回は割合する。
もっと書かねばならないことがあるからだ。これに関してはググれ。とにかくググれ。それしかない。

さて、話をコミュに戻そう。

何度も言っているが、ゲームを始めた段階で魅力的だったのはストーリーだ。殺人事件というテーマだ。
だから、他のことは結構どうでもいいと思っていて、わりとテンポよく進めていた。
コミュについては全くもってどうでもいいなと思っていて、いつもの悪魔合体でしょ?知ってる知ってる、俺を誰だと思ってんの?
女神転生ifからやってるっつーの。遡って女神転生全部やってるっつーの。って具合に、調子に乗ってマーガレットさんの話とかガン無視していた。

ちなみにマーガレットさんというのはベルベットルームにいる方で、ベルベットルームというのはペルソナを合体させて強くさせる場所。

今、もう一人の自分のペルソナを合体ってどういうこと?って思いました?
そうなんです、主人公だけは都合よく「ワイルド」とかいう設定でペルソナを多数所持できる能力があるんです。
ま、その辺もググッとけよ。

なので、コミュを育てるとかそっちのけで、とりあえず主人公のステータスあげるために家で本読んだりバイトばっかりして、
知識とかあげまくってた。あーすごいリアルな自分っぽい。
ステータスが上がってないと手に入らないコミュもあるので、パーティーメンバーはちょっと気分転換に遊んでやるか、ってぐらいな感じで進めてた。あーすごいリアルな自分っぽい。

そもそも叔父の娘とコミュランクあげてなんかなんのかよ、くらいに思っていた。
時間を進めるために誰かと遊ぶ、みたいな。それぐらい適当だった。
ただ、誘われて断ると、寂しそうな顔とかするので、仕方なくやっぱり遊んだりする。あーすごいリアルな自分っぽい。

コミュ関係のイベントで部活が二つあって、文化部と運動部、どちらも入ることが出来る。
運動部はサッカーとバスケのどちらか。文化部は吹奏楽と演劇部のどちらか。
僕は高校までサッカーをしていたので、憧れのバスケ部にした。文化部は吹奏楽にしといた、演劇は自分には無理かなーっていう。
部活も入らなくちゃいけないだけだと思っていたので、コミュとか関係なく、学生生活として普通に参加、みたいな感じだった。

さて、これ以上システムの話をしていると、ただのゲームの説明みたいになってきたので、細かい話は終わりにしよう。
そもそも何の前情報もない人はマジつまんねーなこの話ってなりかねない。
本題に戻ろう。

普通のRPGだと思っていた僕は、時間の概念、コミュ、生活の中で上がるステータス、の3つの意味をゲームを進めていく中で理解していった。完全に理解するまでゲーム内の時間で3ヶ月ほど必要だった。

理解してなかった時の活動はざっとこんな感じだ。

平日
午前中は授業。これは自由行動不可。昼間は前日の夜弁当を作っていた場合は、陽介と弁当を食べる。
放課後、部活がある時はなるべくバスケ部にいく。部活がない時は陽介と遊ぶ。陽介が遊べない時は他の誰かと遊ぶ。
別の誰かに誘われたら遊ぶ。もしくは簡単なバイトをする。
夜、自宅で本を読むか、叔父の娘と遊ぶ。弁当を作れる時は作る。バイトがあるときはバイトする。

休日
友達の誰かから誘われたら遊ぶ。誘われなかったら街をブラブラして誰かと遊ぶ。

テスト期間中
真面目に勉強する。陽介と図書室で勉強する。

とまぁ、こんな感じで真面目に学生生活を送るっていう。ゲームっぽくない感じだった。
陽介とよく遊んでいたら、陽介が戦闘中にいろいろやってくれるようになって、ああ、なるほど、パーティーメンバーはコミュランク上げといたほうがいいんだなと気づいた。なので他の女子キャラ2名もなるべく遊ぶようにした。

バスケ部にもよく行っていたら、一条くんと仲良くなって、一条くんのことをいろいろと知る。その話がかなり泣ける話だったので、
なるほど、コミュはそれぞれの人のストーリーが用意されているのか、気になる人とはなるべく仲良くしようと思った。

先ほども書いたが、時間の概念というのは実に面白いもので、小さな街しかない舞台で移動範囲は全然狭いのだが、明日は何しようか、と考えるとものすごく自由度の高いゲームと感じる。そして、勉強、部活、バイト、友達、とバランスよく活動していると、やることが多すぎて、かなり忙しく感じる。これはある意味GTAシリーズよりも自由度の高いゲームだなと思った。ゲームを進めるにつれて、どんどんこの面白さに魅了されていった。

そしてその先に僕を待っていたものは想像をはるかに超えた展開だった。

つづく